2015年04月30日
バッテリ技術、その噂と真実
バッテリ技術、その噂と真実3
●500回のサイクル性能は本当なのか?
もっとも、ヘビーに使っていると半年ぐらいで電池がへたるという人もいる。ASUS Book T100 充電バッテリーのサイクル性能は約500回と言われるが、それならば2年以上使えるはず。メモリ効果のないリチウムイオン電池はなぜへたるのだろう?
ソニーエナジーテックによると、電池単体で500回というサイクル性能は間違いないとのことだが、いくつかの問題があってそれよりも少なくなることがあるという。そのうちの1つは熱で、熱が加わることで劣化が早まり、容量の低下が進むという。
へたりの主な原因は、負極材料として使われている炭素の分子構造が徐々に変化することで、炭素内に収められるリチウムイオンの量が減ってくるためだそうだが、その変化に熱が加わることで加速される。もっとも、ソニーエナジーテックの話では、経年変化により端子電圧が下がり、まだ容量が残っているのに、過放電を防止するために放電がシャットダウンされ、それが持続時間短縮に繋がるのではないか、と話してくれた。
●ヒビ割れSatellite Radius 11 用充電池は使うべからず
リチウムイオン電池で絶対に行なってはならないのが過充電だ。過充電を行なうとバッテリが破裂し、バッテリパックのケースが熔けてしまう。ある1つのセルが過充電で破裂すると、中から電解液が流れ出し、それが原因で内部的にショートしてほかのセルを巻き込んで破裂が繰り返され、有機溶剤でできている電解液がショートした時に流れる大電流による熱で発火するためだ。
たとえば落としてケースがヒビ割れたバッテリパックを使うのは絶対にやめたほうがいい。もし、少しでも電解液が漏れ、Lenovo 14 対応充電池制御回路をショートさせると、バッテリ状態の計測が狂い、満充電状態にも関わらず充電を続け、過充電状態に陥って破裂する可能性があるからだ。
このように書くと、かなり危険なもののように思えるかもしれないが、さまざまな工夫を凝らすことで、現在のリチウムイオンバッテリパックは安全なものになっている。正しく使えば、決して危険なものではない。その具体的な中身に関しては、バッテリの安全性をテーマに来週お伝えするつもりだ。
http://blog.she.com/mayjay/2015/04/29/loi5666/